2012.12
vol.7
「これでいい」から「これがいい」へ
服を買うとき「流行(トレンド)を気にしますか」の問いに「気にする」と答えた人はわずかに21%。71%が「気にしない」と答えた。首都圏でファッションを学ぶ若者702人に聞いた答えである。「流行遅れといわれるのは嫌ですか」の問いにも「別に・・・」が68%を占めて「嫌だ」の21%を圧倒した。
若者のファッション離れが言われ始めて久しいが、ここまでとは・・・。
もっとも「流行離れ」とは「おしゃれ離れ」のことではない。ファッション化社会といわれた80年代の若者と比べても昨今の若者のおしゃれ、それほど劣っているわけではない。
では流行に代わって若者のおしゃれ意識をくすぐるのは何だろう。
浮上しているのが「クオリティー(質感)」だ。
調査では「質の良さを重視する」という若者が62%を占め、続く「価格」の48%を大きく引き離した。安さに飽きて、ということなのだろうか。「安さ」の対極にある「価値」を選択しはじめたようなのだ。
「ま、これでいいや」から「これがいい」へ。
意思的・選択的消費がじわり広がりそうな気配だ。