2013.1
「作る技術」より「維持する知恵」を
9人の死者をだした笹子トンネル崩落事故。しかし危ないのは笹子だけではない。全国で200を超えるトンネルが笹子と同様の工法を取っており、それがいずれも築半世紀を超える耐用年数ギリギリの代物だという。トンネルに続いて橋も危ない。ビルの耐震工事も終わらぬままに列島の老朽化が進む。
そこで注目されるのが「作る技術」に代わる「維持する知恵」。20世紀の大量生産、使い捨て時代を牽引した作る技術に代わる21世紀少量生産時代の使い継ぐ知恵である。
そして、さらに求められているのが「壊す技術」。
10万年の災厄もたらす廃棄物を抱える原発をどう壊すのか。
ゼロか維持か、などという選択を超えた原発への対決が求められている。
大量のエネルギー消費に支えられた豊かさの先に見えてきた荒れ野のような寒々しい現今の景色を高成長に湧いた半世紀前、誰が想像できたか。
2013年はこの問いかけから始めようと思う。